適応障害は、ストレスに関連して起こる精神的な苦痛や身体症状、自分ではコントロールできない行動の問題が生じ、日常生活や社会生活が困難になる病気です。
職場での配置転換や転勤、過重労働、受験や転校などといった明らかなストレス、あるいは人間関係の亀裂、近親者との死別等によって、抑うつ気分、不安感、体調の異常、不登校、職場不適応、出勤拒否、対人トラブルといった心身や行動など様々な面での問題が引き起こされます。
また、適応障害とうつ病は重複することがあり、実際にストレスにより消耗、疲憊がひどくなるとうつ病に進むことがあるので注意が必要です。
色々なストレス反応(心理反応、行動反応、身体反応)が生じますが、これらは外界からの刺激に適応するための必要な反応です。
ところが、ストレスが過剰な時、個人がストレスに対して脆弱である時に、このバランスが崩れて様々な障害をきたすようになります。現在のところ、適応障害に対する標準的な治療法は確立されておりませんが、うつ病などの治療法が役に立つと言われており、また、その場合は精神療法が中心となり、原因となっている心理社会的ストレス因子を軽減することが、最も不可欠な要素とされております。
ストレスの原因がなくなれば症状も改善しますが、現代社会では生活のため、ストレスの原因をなくすことも多く、ストレスと付き合いながらも日常生活や社会生活を維持していくことが必要になることが多くあり、周囲のサポートも大切になります。