ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、「不注意」「多動」「衝動性」を主な症状として、持続する性質をもった病気です。
これまでADHDは、子供がなるものと思われがちで、確かに小児期に発見され治療されるケースも多いのですが、昨今では大人になって初めてADHDと診断されるケースも増加しており、子供の頃からの症状が残るケースと、大人になって初めてADHDと気付くケースとがあります。
現在、ADHDは「不注意優勢型」「多動・衝動性優位型」「混合型」という3つに分類され、大人のADHDの90%以上に不注意症状を認めるという報告もあり、就学期に必要とされる能力が記憶中心なのに対し、仕事の中では優先順位を付けて効率よく業務をこなしていくことが大切となってきますが、このような場面で違和感や不全感を覚えて受診されるケースが多く見られます。
一例として、子供の頃から忘れ物が多かった方が、就職してからも大切なアポイントを忘れてしまったり、約束の時間に間に合わなかったり、あるいは集中力が続かず、ある業務を進めている中で別のことが気になりだすと優先順位をつけられずに他の業務に移行してしまい、本来の業務を放置してしまうようなケースがあります。他にも、話の腰を折る、空気が読めないなどの指摘で気付く場合もあります。
これらの行動は、程度の差はあっても誰もが思い当たることもあるのではないかと思われますが、本人の努力不足などと誤解されることで、上司や同僚から無用な指摘・叱責を受けることになってしまいます。
このようなケースが頻繁に起こる場合には、大人のADHDが疑われますので、ぜひ一度にご相談お越し頂ければと思います。